映画テラフォーマーズ 感想 リアリティが感じられない映画館で見る価値のない駄作

三池崇史監督で実写化された映画テラフォーマーズ

ネット上では散々酷評されていたから見る価値無いのかもしれないと思って見てなかったけれど原作を何百回と読み直す大ファンだからどうしても見たくなってしまって今回初めて見てみたけど、期待通りと言っていいのか分からないけど酷い出来だった。
今回は珍しくネタバレ無しに感想を書いてみる。

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まず最初に

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恐らくはご存知の通り、この映画テラフォーマーズは原作1巻を元に映画化したものになっている。
1巻がアニメ化されたOVAでは1時間で纏められている原作1巻だけだと、2時間映画には足りないからなのか全体的に胴長になっているのが特徴。
また原作では外国人だったキャラクターが日本人に変更されている。

ここが駄目だよ映画テラフォーマーズ

この映画の一番の欠点。
それは全体的に敵含めて登場キャラクターに危機感が無くのんきなこと

モニターごしとは言え乗員の中でも屈指の実力を誇る男が変態して命がけで戦ったにも関わらず敗北し残虐に殺されたのを見てても「へーアイツでも無理なのかー。ヤバくね?」とばかりに危機感の欠片も無い。
(某評論家のパクリになってしまうけれどマジでそんな雰囲気だった)

彼がかませ犬になって死んでくれたおかげで、敵は非常に強力で素早くて変態しても勝てない可能性があることが分かったというのにそれを全然生かせてない。

それにプロとして意識が高い乗組員ならともかく今回のメンバーは全員寄せ集めなんだから、すぐに宇宙船を飛び立てて火星から逃げようと言うのが自然であろう。

敵も敵で、原作では敵を倒し終わって一時的に安全になった後に仲間がようやく思いを吐き出す感動シーンが、映画では戦闘体制のテラフォーマーが目の前にウヨウヨいる状態でのんびりと言っている。
なんでテラフォーマーは今のうちにこいつらを襲わないんだ、テラフォーマーはこんな空気を読んでくれる生物じゃないぞ…などと思ったりした。
こういうシーンは映画そのものを安っぽく見せてしまう。

アクションシーン

私は映画はあまり見ないしアクション映画はさらに見ない。
だからアクションシーンについては他の映画と比較して語れるほどの知識はない。
けれど映画テラフォーマーズのアクションシーンが駄目だということは分かった。

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俳優は一生懸命なんだけどどうにも安っぽい
三流特撮を見せられるような不愉快な気分になった。

また勇敢なキャラクターが最終体系に入るシーンが早すぎて感動さが消えてしまっているのも疑問が残った。

本多博士

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小栗旬演じる本多博士が原作とは全然違うキャラクターになっている。
原作では一部の本多博士は冷静で現実的な優秀な博士といったところだったのに、全体的に見た目発言含めてマッドサイエンティストに変わって命を軽視する性格になっていて最後まで改心が無いままだった。

この改変は賛否が分かれることだろうけど、原作の本多博士は映画のようにマッドサイエンティストではなく、日本を思って焦り逸って大失敗しその後悔を前に進む力にするこんな自分の知識欲しか考えてないキャラクターではない。
映画を最初に見た人が原作を読み直したら本多博士の違いに驚くはずだ。

本多博士の改心がきちんと描かれるのは三章からだから映画内で描くには厳しいことかもしれないけど何とかならなかったのか。
せめて後悔するシーンを描いてほしかった。
ただのマッドサイエンティストで終わらせて欲しくなかった。

ラストシーン

オリジナルのラストシーン。
これは実は見る前から知っていたけどアイデアとしては悪くない。

けれどリアリティを感じられず変だとしか思えない。
おいおい死んでるんじゃなかったのか、大体こんなんでテラフォマーが大量に殺れるはずないだろう、って。

統括

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テラフォーマーは良い意味で気持ち悪かったし実写化したらまぁこんなもんかなと思う。
某映画評論家にはテラフォーマーの見た目については酷評してたけど私は批判する気は一切ない。

また個人的にこの映画化で評価したいのは原作よりもしっかりとした理由づけされていること。 
とあるキャラクターが敵を操れなかった理由も「進化」の一言で終わらせた原作よりも説得力があった。

ただそれ以外が酷過ぎる。

全体を見るとテラフォーマーが雑魚化している。
原作のテラフォーマーが人類に対して甘い面を全く持たない冷酷で強力でとても賢い生物なのに映画ではただの頭の悪い生物になってしまっていた。

また原作を読んでいない知り合いがこの映画を見に行ったところ意味が分からなかったと言っていた。
私は原作を知っている身としてこの映画を見たけれど、この映画は原作をしっかり読んできちんと理解してないと意味が分からないだろう。
だからと言って原作ファンを満足させれるような出来では決してない。

監督が一生懸命やっていたことはなんとなく伝わってくる。
褒められる実写化にしたかったことも。
けれどその気持ちがリアリティに全く繋がっていない

一体どんなに酷いんだろうと覚悟して見た割には個人的にはそんなに酷くなかったってのが感想。
だけどここまで書いてみて思うことは映画館でお金出して見る価値は無い
元々テラフォーマーズという作品自体が日本での実写化に向いていないのだろうかと考えさせられた。


 



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