横槍メンゴ先生の恋愛漫画、クズの本懐。
作者である横槍メンゴ先生は岡本倫先生原作の「君は淫らな僕の女王」の作画担当の漫画家なのでこのブログの極黒のブリュンヒルデ読者なら名前ぐらいは聞いたことがあると思う。
クズの本懐の内容は爽やかさの欠片も無いドロドロの恋愛漫画だったけれど他の恋愛漫画とはいい意味で違って面白かったので自分なりに感想を書いていく。
ネタバレ注意。
この漫画の魅力
恋愛漫画だから当然っちゃ当然なんだけど登場キャラクターが主人公も含めてどいつもこいつも恋愛脳の奴ばかり。
そしてタイトル通り恋愛以外眼中にないクズばかり。
まともな感覚のキャラクターがお兄ちゃんこと鐘井鳴海しかいない。
そのお兄ちゃんもクズ女に引っかかって恐らくはヤバくなる。
そして主題。
この漫画の魅力、それは
女の子が可愛い
これに尽きる。
君は淫らな僕の女王で発揮された女の子の可愛さが全面的に出ている。
全体的な画力で言えば高くは無いし身体つきはちょっと下手だなと思う事も多い。
けれど顔の可愛さだけでいえば漫画オタクの私が見てきた漫画の中でもトップクラス。
可愛いんだけどそれでいて繊細な描き方で女性が描いたとても可愛い女の子といった感じ。
そして肝心の内面部分ではこの漫画に登場する女性キャラクターは美少女もののような欠点0の盲目的な可愛さでは決して無い。
どのキャラクターも人間として問題あるのでは?と言えるぐらい人格面に問題のあるキャラクターばかり。
だけどそれが良い。
ただ可愛いよりも魅力のある毒のある可愛さなのだ。
漫辛的登場人物紹介
安良岡花火
ハイスペック美少女主人公ヒロイン。
お兄ちゃん以外は他人を傷つけるほど眼中になく恋敵である茜に対する敵意を隠さない主人公。
(そしてそれが茜を喜ばせる)
皆川茜
女が嫌いな女を素で行く女。
だけど女としての価値は100点満点。
この漫画には絶対になくてはならないキャラクター。
こういう女は女から嫌われがちだけど現実世界じゃこういう女がハイスペックの男ゲットして幸せになるんだろうなーとか邪推なこと考えてしまう。
この女は死ぬまでこんな感じだろうけど。
最可(鴎端のり子)
外見・性格ともにちょっとアレな女の子ではあるけど花火や麦のように代償行為にも走らず想い人を真っすぐ思い続ける少女。
こんなにマメで女の子らしい性格ではないけど私もファッションや生き方、趣味などは周りの言うことを全く聞かないタイプなので最可は一番親近感を感じる。
ファッションセンスも似ているしこういう女の子って大好き。
統括
ぶっちゃけ1巻から5巻まではお兄ちゃんスキスキ先生スキスキ思いながら一歩も進まない漫画。
いつになったら進むんだとイライラしたこともあった。
けど6巻の告白シーンが凄く良かったから私的にはノーカウント。
皆川は恐らく誰も好きにはならないからどうなるんだろう…。
こういう皆川みたいな女は見た目が劣化して悪くなっても一生男には困らず搾取し続けるんだろうからなぁ…。
恋愛は人間のとても大きな行動原理であるから上手くいかなければトラブル化するのも必然のことと言っていい。
クズのような人間や思いが報われない相手なんて好きなのを辞めた方が絶対に良い。
それが理屈。
でもそれが出来ない心理。
その好きであることをどうしても辞めることが出来ない心理ってのが強く書かれている作品だ。
どういう終わり方になるのかは未だに分からない。
普通に考えれば花火と麦が結ばれて終わりかなと思うけどその終わり方では面白くない。
だからといって花火がお兄ちゃんと結ばれることも可能性として限りなく低い。
茜がお兄ちゃんを好きになることは現在の茜の性格では絶対にないし麦にも振り向かないだろう。
ラストを見届けたい漫画の一つ。